マジの一期一会
完全に染め時を逃した髪の毛をなんとかしようと、美容室を予約した。
腕が良くて話も面白い太田さん(美容師のお姉さん)が好きで、わざわざ二子玉川まで通っている。
茶髪というのは本当に面倒だな。今回は真っ黒に近いぐらいの色に染めてもらおう。そんなことを考えながら、道玄坂での用事を済ませ電車に乗ろうと渋谷の街を歩いていた。
「すいません。」
声をかけられた。平日のこんな時間こんな場所だと、大抵が度胸だけこしらえた中身の無いナンパ師か、美容師だ。
「時間あったら、髪染めていきませんか?」
どうやら今回は後者のようだ。
「ごめんなさい、この後美容室予約してるんです。」
これが嘘である時も本当である時もこう言っている。
しばらく歩くとまた声をかけられた。
「すいません。」
ほとんど顔も見ずに、2分前と全く同じ断り文句を告げた。
歩く。
「すいません、髪の毛を…」
……ちょっと待て。
確かに今私の頭はいわゆる"プリン"化しており分かり易い声かけ指標を放っているが、こんなに声をかけられるとは何事だ。頼むからそっとしておいてくれ。
イライラしながら顔を上げ、例のセリフを3割ほど口にしたところで驚いた。
(えっ、めっっっちゃタイプやんけ、このお兄さん…!)
慌てた。
特別イケメンではないものの、片方だけ二重のお目目がとても色っぽい。さらに遅れて脳内処理班が「声もタイプやぞ」と教えてくれる。
お兄さんはフレンドリーに続ける。
「美容室予約しちゃったんですか!カラーモデルなので無料なんですけど、だめですか?いつも行ってる美容室ですか?」
ですかですかですか、うん、そうだけど、最後の一文はどういう意図を含んでるんだ?
「いつも行ってる美容室です、もう今電車乗って向かおうかと」
素直に答えた。
「ああ、そっかー。引き止めてごめんね。行ってらっしゃいませ!」
え、あれ、案外あっさりと解放された…。
そこから私の頭が黒くなるまでのほとんどの間、お兄さんのこと、というか「タイプの男性に接触する機会を偶然得たこと」についてぼーっと考えていた。太田姉さんと楽しく会話して笑った気もするが、霊媒師というワードが出てきたこと以外あまり覚えていない。
ああ、そっか、いつも行ってる美容室は信頼関係が出来上がってるしドタキャン出来ないよなあ、当たり前だろうし営業トークなのだろうけど、気を使ってくれたんだな。
去り際の笑顔、素敵だったな。
名刺だけでも、貰っておけば良かったな。
二子玉川で高いのに不味いミネストローネをすすりながら、あのお兄さんには二度と会えないという哀しみと、「次は自分でアクションを起こす」という決意を込めてお送りしました。
田舎コンプレックス
真面目で小難しいことを書く。
私の好きな歌手は大物になってもなお「自分が成長できる世界に生きたい」と歌った。本当にその通りだし、彼が終始腕立て伏せをするだけのミュージックビデオには説得力があった。
私は2年前、独立と同時に「こんなとこじゃ食ってけねー!」と鼻息荒く地元沖縄を出て東京へと引っ越した。そして上京2日目で花粉症を発症、スピード感に若干引きながらも1年目はどうにかこうにかやり過ごした。
今年は計画を練りに練って、花粉の期間フルリモートで仕事が出来るようにし、沖縄にて花粉疎開を実践したのである。
で、東京へ戻ってきた。今日。2ヶ月ぶり。
今回は色々と思うことがあったので書き記しておく。
私にはずっと田舎コンプレックスがあった。特に仕事において。
沖縄で働くとはどういうことなのか。
ことIT事情でいうと、企業はほとんど二次以下の下請け、もしくは県外大手の支店(しかし実際の業務はカスタマーサポート、つまりコールセンター)だ。特に後者は、賃金や地代が安いという理由でどんどん進出してきている。これはもう本当に悲しいし切ない。
もちろん優秀な人も居るが、私の知る限りではそんな人ほど県外へ出て行く。
自主的に何かをすることに無頓着な県民性なので、なかなかリーダーが誕生せず、負のサイクルは変わらない一方だ。
私はそういった側面に嫌気が差し、東京で働くことを選んだ。
実際に東京で働いてみると、驚くことばかりだった。情報の早さ、クリエイティブ思考な人々、企業のアクティブさ。
ベタに、「世界は広い」と感じた。
目まぐるしく過ぎる毎日が楽しくて仕方がない。自分が成長出来ている実感が日々得られる。ずっとここに居るべきなのでは…と思い始めていた。
沖縄は相変わらずだった。のんびり、ゆっくり。
そんな中、冒頭の曲を久しぶりに耳にした。「自分が成長できる世界に生きたい」。うんうん。
…あれ、ちょっと待てよ。
結局これって、私が今「自分が成長できる世界に生きている」と感じてるってことは、成長させて貰える環境に甘んじている、つまりは現状維持でしかないのでは…?
心が揺さぶられる音がした。
本当の意味での「自分が成長できる世界に生きる」とは、そういうことだったのか。
それからすぐに、初めてちゃんとした人生設計を考えた。
私の人生をかけて、逃げずに、向き合ってみようと思う。
ほしい物リストってめっちゃエロくないか?
だいぶ寝かせていたこの記事をついに投下する。
私はITと言われる仕事をしていて、そういった事に積極的な人々に囲まれているため、ほしい物リストはとても身近な存在だ。頻繁に見かけるし、ある程度親しければすぐにポチって送るし、私自身も公開したことがある。
そんなお手軽最強ほしい物リストだが、あれ、めっちゃエロくないか?
細々とした生活用品が多めの人、仕事関係の物が中心の人、高価な物ばかりの人、少年・少女心丸出しの人。
個性が出る。性格も、生活も出る。それってめっちゃくちゃエロくないか?
特に異性においてだが、「いいい今私君の脳内覗いてるけどいいのー!?いいのー!?!?」といった感情になる。まるで相手の生活に溶け込んだ気分だ。
〜私がエロさを感じた物リスト〜
・スパゲティの麺(28歳 男性)
これはもうめちゃめちゃにエロくてやばい。食事は家で取るけど、基本米とご飯のお供系のやつ、茹でたスパゲティとレトルトのソース和えたやつばっか食べる生活を送ってるに違いない。食事を作ってさしあげたい。
・シェーバー(29歳 男性)
特にエロいのが9,000円くらいのシェーバー。シェーバー派ということが分かるだけでもエロいのに、今使っているものよりランクを少し上げたいと思っているであろう価格がたまらない。これは危険なことに少し気のある相手だったらポチってしまう。何故なら付き合ってもいない私があげたものを日常的に手に取り使うだなんて卑猥でしかないから。
・ゲームソフト(26歳 男性)
好きなゲームの傾向が分かる。部屋着でゲームしてる姿を想像する。他の物より「もらったー!やばい嬉しい。。」といった文章付きでSNSに写真を載せてくれる率が高い。
・PC関連のアダプター(32歳 男性)
すっごいドSそう。これはもうエロすぎて鼻血出るよあたしゃ。他のケーブル類よりアダプターが一番エロい。破廉恥。
・大型家電(31歳 男性)
なんかもう逆にポチって驚かせたくなる。高価だし絶対買う人いないでしょ、って油断してるところからの慌てふためく顔を頬杖ついてニコニコ眺めていたい。
みんな、もっとガンガン公開していこう、ほしい物リスト。
私からは以上だ。
米騒動
仕事で酒の工場に行った。
あのミチミチする帽子を装着し、工場内に一歩足を踏み入れると、ぶわっと米の匂いに包まれた。優しくて、暖かい、そしてとてつもなく巨大で、おかしくなりそうな程に良い芳りだった。たぶん、羊水の中に浮かぶ赤ん坊ってこんな感じなんじゃないかな。それ程えらく心地が良かった。
我輩はダイエット中である。
この樽のような身体を少しでも改善すべく、何となく耳に入って来た情報で何となく糖質を避けている。炭水化物、特に米は、最近ではほとんど食べていない。
工場の見学を終え、家に帰ってすぐに米を炊いた。そしてめちゃめちゃに食べた。それはもう、これまでの努力がおチャラになるほどに。
米と好物の明太子をツマミに、お土産で頂いた酒がどんどん空いた。
抗えない。
米の圧倒的権力の前では何一つ抗えない。無抵抗な人間になる。素っ裸だ。為すすべがない。
酔いの回っていく頭でひたすら唱えた。
米、法律で禁止してくれ。
尿意100%
もう、ごめんなさい。ほんと申し訳ない。下品な話ばっかりで。お察しの通り尿について書くよ。
ここ数年トイレが近い。
トイレが近いという言葉はトイレへ行く頻度が高いこと、いわゆる頻尿を表すが、それは少し違うと思う。だって私の症状の方が確実に"トイレが近い"にピッタリだから。
みなさんが、「あ、トイレしたい」と感じるのは、尿意何%くらいの段階だろうか。
私は、100%なのだ。
どういう事かというと、つまりは「あ、トイレしたい」と思った瞬間が決壊の瞬間なのだ。
厳密にいうとトイレへ駆け込む数秒がある訳だから99%くらいなのかもしれないが、あの「ギュンッ!!!」って感覚はやっぱり100%で、大人としての意地とか尊厳を持ち合わせることにより決壊というボーダーラインを守り抜いているんだと思う。
ちなみに今、隣に居る弟に質問してみたら「82%」という明確な答えを頂いた。
健康な成人男子といった数字だな。50分くらいは我慢できそうだ。
そんな訳で尿意100%っ娘なので、様々な弊害が出てくる。
家ならまだしも、外でこれが発動するとヤバい。なので外出先ではトイレを見かける度に寄り、そもそも"尿意を感じる"という状態になるのを防ぐ。
仕事柄出張や帰省を頻繁にするので、年間20回は飛行機に乗る。飛行機では、毎回毎回毎回事前に席を指定するのだが、漏れ無く漏れ無く漏れ無く通路側を選ぶ。尿だけに。
問題は、映画館だ。
映画館のあの雰囲気はとても好きなのだが、下手に真ん中の席なんか選んだ日にはこの世の終わりだ。しかし1,800円も払ってナナメのカクドから映画を観るのも腑に落ちない。よって、必然と映画館へはあまり行かなくなった。
悲しい。悲しすぎる。
「尿意 急」「尿意 100%」「尿 漏れそう」などでググり倒すと、どうやら過活動膀胱という病気かもしれないことが判明した。めっちゃいいなあ、病名。過活動な膀胱。活動が過ぎる膀胱。言い得て妙だしわんぱく感もあってよい。好きだ。
よーし、週明け病院行くぞ〜。
タラレバ娘最終回と友人の結婚
驚いた。この2つのイベント、同日に起きるか?普通。偶然ではあるものの、出来過ぎた皮肉に卒倒しかけたわ。
ドラマ「東京タラレバ娘」最終回について
ドラマとしてどうこうという話は置いておいて、最後15分あたりに出てくる言葉一つ一つに色々考えさせられたので書きたいと思う。
「30歳までに結婚することが幸せだと思っていて、それに向かって『女の幸せ掴む』とか『幸せになりたい』ってばっかり言ってた。」
「恋人ができて幸せ、結婚したから幸せ、仕事が成功したら幸せ、お金持ちになったから幸せなんて決まってない。何が幸せかは他の人には決められないし、私の幸せは私にしか決められない。幸せになるもならないも自己責任だからやりたいことをやればいい。」
正直ハッとさせられた。
結婚したら幸せになれる、というのはそもそも他人に依存した幸せだ。
私にも結婚願望はあるが、そもそもなぜ結婚したいのか?というのを考えてみた。
理由1:子供が欲しい
ふむ。例えば結婚しなくても養子だとか、シングルマザーだとか、手段はいくらでもある。でも、きちんと血の繋がった父親が側にいる方が"子にとっての幸せ"になる確率は高いのであろう。そして、基本的に子供を作るという行為は結婚を踏まえた先にあるべきもの(私はそう思う)だから、この理由はまあ分かる。
理由2:将来一人で死にたくない
これは色んなことが多様化したこの世の中だと結婚以外の手段もあるよね〜。ボツ。
理由3:やっぱり世間の目が気になる
タラレバ娘たちが言っていたことといきなり相反するが、小さな人間なのでやはり世間体というのはどうしても気になってしまう。でも、例えば自分が30を目前にしいよいよ焦った時に、納得のいかない結婚をしてまで世間体を気にするかと言われるとそんなことはないだろう。それなら自己責任で30をまたぐ。よってボツ。
はい。明確になりました私の結婚したい理由。
「幸せになりたい、幸せにしてほしいから結婚したい」のではなく、「子供が欲しい、子を生み育てるという経験を人生の一部に充てたい、今のところそれがきっと私の幸せだから結婚したい」のだ。少し冷たいかもしれないが、これが私の結婚したい理由だ。
きちんとした理由を持ったのでこの先自信を持って「結婚がしたい」というのを口から放てるな。ありがとう東京タラレバ娘。
友人の結婚について
の、晩。0時に差し掛かるか否かといったタイミングで、「そろそろ飲み行きやしょーよ」とLINEを入れておいた親しい友人(28歳)から返信が来た。
「飲み行こー!いついくー?てかさっきプロポーズされたよ!」
きょえええええええ!?ププププロポーズ!!!!よりによってタラレバ娘最終回見終えた直後に!結婚について長考していたタイミングに!は!え!結婚!!!
彼女とお酒を飲むと、私達は決まって「結婚したい」とバカの一つ覚えのように繰り返し言っていた。
その彼女が、結婚。現実味がない。思えば親しい友人が結婚するのはこれが初めてだ。人妻になるのか。これから頻繁には一緒に飲みに行けなくなるのか。彼女、子供好きだから、きっとすぐママになるんだろうな、そしたらますます違う世界の住人になってしまうな。
ああ。友人が結婚するって、こんな感じなんだ。おめでたい気持ちとか羨ましい気持ちより先に、寂しい気持ちが来ちゃったよ。ごめんね。ジコチューでごめんね。
やっぱり、結婚したいなあ。
フェチの話
猫で言うところの"うんちハイ"ばりに浮かれている。
何故なら確定申告を終えたからだ。確定申告ハイだ。
うんちハイのことを知らない人は今すぐググってね。猫の最も愛おしい瞬間の一つだから(この言い回しめっちゃ嫌い)。
それはそうと、最近気付いたことがある。
どうやら私、ワキ毛フェチみたいだ。
つい最近知り合った男性に、アプローチのようなものを受けていた。
しかしだ。一ミリもタイプでない。びっくりするくらいタイプでない。
唐突に下卑た話で申し訳ないが、女性だって「この人とセックスしたい/したくない、もしくはできる/できない」といったことを考えるものだ。
無論その彼とは本気で厳しいと思っていた。
たまに来る連絡を顔で笑って心は雪の女王スタイルでかわしつつ、このまま収まることを願っていた矢先だった。
ふと見た彼のSNSに、半袖のシャツでピースをしている写真が載っていた。
そこまではOK。落ち着いてみんな。
すぐに目がいった。
わわわワキ毛が…ワキ毛がチラリズムしているではないかーーーーーー!!!!
やばい。性的だ。めちゃくちゃ性的だ。下卑た話で(以下略)、正直一気に「セックスできるかも」に傾いたこともなくなく なくなく なくセイ イェーッ
ふと冷静になった。あれ、私もしかして…これってもしかして…これが…フェチってやつ…?
今までフェチを聞かれた時に「鎖骨」などと答えていた自分を殴りたい。なんだその無難で面白味のない答えは。本当のフェチの威力はこんなにもすさまじいんだぞ。見たかおいコラ。
確定申告ハイなので、許してください。