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母とジョディ

ベローチェがベロチューに見えた。私だ。






彼女は突然私たちの生活に現れた。

名前はジョディ。母の友人だ。フィリピンで生まれ、私の故郷沖縄で暮らして10年になる。


母とジョディの出会いは変わったものだった。


私の母は外でお酒を飲むのがとにかく好きな人で、様々な飲み屋を渡り歩いている。

どうしても言っておきたいので一瞬話を踏み外すが、母がもし黒の組織の一員だったらコードネームは間違いなく「ハブ酒」だと思うのでそのイメージで読み進めるように。


話は戻り、ジョディは"フィーbar"というネーミングセンスの欠片も無い、それこそ場末のバーで働いていた。

フィーbarの常連の中に母もといハブ酒の友人が居たこともあり、ハブ酒とジョディはすぐに打ち解けたらしい。そして、その友人よりこんな話を聞いた。
「ジョディが元旦那にストーキングされている」と。
鬼のようなメールと電話、待ち伏せ等ストーカーのテンプレ的行為に、一人暮らしのジョディは相当疲弊していたそうだ。

正義感強すぎ系女子のハブ酒はいてもたっても居られず、その場で「私がしばらく一緒に行動してあげる」と申し出たそうだ。



二人が親友になるのに時間はかからなかった。
ジョディはとても陽気な性格で、料理が上手く、母性に溢れた人だ。ジョディには息子が居るのだが、関西の大学に通っているためきっと寂しいのであろう、我が家へ来ては食事を作り、私たち兄弟にとても良くしてくれる。ちなみに我が家も、父は単身赴任、私は東京で一人暮らし、母は弟と2人で暮らしているのだが、共に子育てが落ち着いており境遇も少し似ている。


年末には、母と弟でジョディの実家フィリピンへ遊びに行くほどになっていた。それはそれは大層なもてなしを頂いたそう。



ジョディはたまに我が家に泊まっていく。ジョディは母の寝室で一緒に寝るのだが、修学旅行の晩のように2人でキャッキャウフフ楽しそうに話している声が聞こえると、私はとても嬉しくなる。





そして今月。母の念願だった飲み屋を、ジョディと開くそうだ。私は嬉しくてたまらない。


子育てが落ち着き新たな楽しみを見つけ楽しそうな母。この歳で親友が出来る母。

私もこんな人生を歩みたいな、と強く思う。