海より、そこそこの愛を込めて
目を覚ますと朝の5時だった。
外は暑くもなく寒くもなく、とても"ジャスト"な気温だったもので、慌てて顔を洗い、車へ乗り込んだ。
車中では気持ちよく歌い、15分ほど走った先のビーチへ着く頃にはちょうど朝陽が昇っていた。
駐車場には猫がいた。
途中で寄ったコンビニで無糖のヨーグルトを買っていたので、蓋に少し乗せて渡した。
久しぶりに恋をしている。
彼が隣に居たらどんなに楽しいだろうか。きっとこんな日に叩き起こしても怒らずに、一緒にネバーヤングビーチを歌ってくれるのだろう。ベンチに座って朝陽を見る彼の白い頬にそっとキスをしたい。ただただぼうっとこんな事を考えた。